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インスパイア[日記] 2020/12/09

影響を受けた、というと何となく「知らず知らずのうちに影響を受けた」と言われるような“受け身”の姿勢を思い浮かべてしまいます。
そこへいくと、インスパイア、なんていいですね。
横文字の胡散臭さがなく、パッと一直線で向かう潔さがありますよ。


先月号の古美術雑誌『目の眼』に載っていた連載記事ふたつが面白く、心に残っておりました。
ひとつは内田鋼一さんの連載で「掛け分け」に関するもの。

焼き物に多く使われる「掛け分け」。
それを技法でなく、作り手の意思とするなら、この鶏龍山の鉢も立派な掛け分けです。
内側の刷毛目はあくまで白く、外には一雫の白泥さえも落とさない気の遣いよう。
あの記事を読んでインスパイアされたからこの鉢を買えた、と言えます。

もうひとつは森孝一さんの連載で青山二郎の言葉について。
今ではすっかり人気のない飴釉の面取壺。
確かに一か所がグッとへこんでるとしても、あの青山二郎が「珍中の大珍」と箱書したとは信じられない!
李朝好きも切捨ててしまっている飴釉面取壺。もしや隠れた魅力があるのでは?
そんなこんなでインスパイアされた挙げ句入手したのがこの、物凄い数の面取が施された「面取壺」。


ふたつとも決して影響受けた訳ではなく、インスパイアされて仕入れたものです。インスパイアですよ。(きっと…)


鶏龍山鉢
口径18
高さ8センチ

飴釉面取壺
高さ16
胴径19センチ